破裏拳ポリマー RE-2635

作品紹介

公開年月  2017/05/13
ジャンル  アクション
原作  タツノコプロ 『破裏拳ポリマー』
監督  坂本浩一
脚本  大西信介
製作  堀内大示、小澤洋介、ほか
製作国  日本
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

過激化する組織犯罪に対抗する為、警視庁と防衛省は特殊装甲スーツ“ポリマースーツ”の開発を極秘に進めるが、その強大すぎる力に危機感を持ち警視総監が中止する。
数年後、新たに就任した警視総監によってポリマースーツ開発が再開されるが、テスト版スーツ3体が盗まれ、犯罪に悪用されてしまう。
そこで刑事部長の土岐田は、最強拳法“破裏拳”の唯一の継承者で元ストリートファイターの探偵・鎧武士に捜査への協力を要請するのだった。

登場人物&出演者

鎧武士/破裏拳ポリマー(演:溝端淳平)
主人公。破裏拳唯一の継承者。ストリートファイトで金を稼ぐ。鎧探偵事務所も開いている。
溝端淳平は代表作に『君が踊る、夏』、『高校デビュー』などがあります。
なぜか秘密裏に作られたポリマーシステムで唯一、オリジナルの音声認識で起動する人物。
同じくストリートファイトで稼いでいたワンが敵として登場するが運良く勝利する。
実は黒幕が父親が危険視した男だと知って、その決着をつけるべく作戦なしで乗り込む。
最後は正義のパワーを爆発させて、ラストボスを倒し、海外へと旅に出るという意味不明さ。

南波テル(演:柳ゆり菜)
ヒロイン。鎧探偵事務所のビルオーナーで第一助手。支払わない家賃を待ってあげている。
柳ゆり菜は代表作に『うわこい』、『ヴァンパイアナイト』などがあります。
たまたま立ち寄った銀行で、たまたまポリマースーツの試作品を来た強盗団の人質になる。
武士が警察の手伝いをするという事で、なし崩し的な感じで譲一たちと捜査をする。
煮詰まった時に指を唇に当て「閃いた」の言葉とともにヒントを与える寒いギャグを披露。
このキャラクターに関しては寒さしかなく、決めポーズをする度に怒りが込み上がった。

来間譲一(演:山田裕貴)
ポリマースーツの回収をする警察チームの一人。基本的にヘタレで銃を撃つ事も躊躇う。
山田裕貴は代表作に『ホットロード』、『亜人』などがあります。
同じチームに属している稗田玲と付き合っているが、マトモに会話ができない微妙な関係。
ポリマースーツを追っていたが、上司や警察官が倒れる中で何もできずに一人だけ助かる。
チームの先輩が死んでも、上司が死んでも次には笑っているのでシリアスさを消した張本人。
恋人が黒幕の手先だと知ってボロボロになりながらも助けようとするも結局は叶わず。

稗田玲/ポリマーアルテミス(演:原幹恵)
ポリマースーツの回収をする警察チームの一人。ポリマースーツの研究をしている。
原幹恵は代表作に『アフロ田中』、『スペース・スクワッド/ギャバン vs デカレンジャー』などがあります。
首の右側に大きなアザを持っていて、実は譲一と付き合っているが恋人という雰囲気はない。
あくまでポリマースーツに対して研究をしていて、真面目にやらない武士に不快感を示す。
実はポリマースーツの危険な風に使おうとした男の娘でその遺志を引き継いで暗躍した。
最後は最強のポリマーを作り出すべく父親の鬼頭に自分の身を捧げて爆死した。

バレット・ウォン/ポリマーアームカスタム(演:出合正幸)
テスト版ポリマースーツのグローブを着用する。上半身のスーツだけを着て武士を襲う。
出合正幸は代表作に『ラストサムライ』、『殿、利息でござる!』などがあります。
実は武士とともにストリートファイトをして稼ぎ、破裏拳の技を教え込まれた友達だった。
破裏拳の奥義以外はすべて体得し、順当にやれば世界を取れる実力を持っていたという。
最後は武士を圧倒する力を発揮して、奥義まで使いこなすも麻薬による心臓発作で死亡。

ジン/ポリマーレッグカスタム(演:中村浩二)
テスト版ポリマースーツのブーツを着用する。冒頭で回収チームを譲一だけを残して倒す。
中村浩二は代表作に『東京侵略』、『アウトレイジ/ビヨンド』などがあります。
銀行強盗をするギャングの切り札として登場し、ポリマースーツを着た武士と対決した。
最後は破裏拳の奥義を発動されて、対応できずに倒され、その後は警察の尋問を受ける事に。

土岐田恒(演:長谷川初範)
刑事部長。ポリマースーツの回収をするチームの責任者。数年前に妻を亡くしている。
長谷川初範は代表作に『幻の湖』、『南極物語』などがあります。
オリジナルのスーツを起動させられる武士を直接スカウトし、彼との取引を交わした。
一度は降りようとした武士を説得し、この依頼は彼に対するチャンスだと説明した。
ポリマースーツの開発を担った武士の父親を知っていて、今回の任務は承知の上で依頼した。
その結果、何かを掴むも敵の罠にハマってしまい、武士たちが駆けつける前に死んでいた。

八代/鬼頭(演:神保悟志)
現在の警視総監で、凍結していたポリマースーツ開発を再開させた張本人。
神保悟志は代表作に『蒼き狼/地果て海尽きるまで』、『相棒』シリーズ』などがあります。
実は本物の警視総監は死んでいて、過去に武士の父親が危険視した男が入れ替わっていた。
顔を変えてまでポリマースーツの素晴らしさを説き、情報集めに娘を洗脳して操った。
自ら完成したスーツで武士に挑むが、怒りのパワーで覚醒した主人公の前で負けてしまう。
最後は悪役らしく改心するところをみせず、自爆をするけど武士たちが逃げて単なる自殺に。

感想

個人的な評価

本作はタツコノプロの創立55周年を記念して製作されたアニメの実写映画となります。
アニメは1974年10月4日から1975年3月28日まで放送されていました。
残念ながらアニメの方は世代じゃない上に、ほとんど知らないので本作でどのような作品か知る感じになります。
本作はハッキリ言って、邦画の悪い部分を上手く表現している作品の一つと言えるだろう。
世界観として現代ではなく、微妙に昭和と2000年前半を混ぜていて良く分からない。
作品自体が昭和なので時代背景はそれに沿っているようだが、なぜ2000年代前半の携帯電話を登場させたのか意味が分からない。
残念ながら原作を知らないので作品の雰囲気は分からないけど、本作の寒いギャグは映画のオリジナルとして考えたいと思う。
本来なら原作の方はバランスも良く、シリアスな部分とコミカルな部分が上手く釣り合っていると思われます。
しかし、本作のギャグとシリアスのバランスが非常に悪く、特に後半でのシリアスはそれまで積み重ねたコミカルのせいで台無しになっています。
何よりヒロインである南波テルという存在が一番寒く、原作を意識した決めポーズなどはすべてに置いて薄ら寒い印象で見事にぶち壊している。
あとは主人公のパートナーとなるヘタレだが、あれはかなりのショックを受けているはずなのに、次の場面ではヘラヘラ笑っている点も頂けません。
先輩や上司を失った直後に恋人とデレデレした展開では、後にやって来るシリアスな場面をぶち壊した要因の一つになります。
本作はかなりの格闘アクション面で力を入れているが、主演の溝端淳平は本作が初のアクションという事でキレは今一つ。
カンフー映画などを見慣れている人にすれば、お遊びにしか見えない予定調和のアクションとパクリのアクションに新鮮味はありません。
邦画の悪いところを上手く取り入れている点では、すべてにおいてタイミングの都合が良すぎるし、みんな丁寧に全部説明してくれる。
こういう作品は90分で抑えるべきだが、邦画はダラダラとしたムダな描写が多いせいで100分を平然と越えてきます。
もちろん、本作もその例外ではなく、まず南波テルのムリヤリ感、安易すぎる伏線、細かい説明など、いらない部分が多すぎて面白さ以前の問題となる。
肝心のアクションもどこかで見たようなモノを素人が頑張ってやりましたという感じで楽しめるワケがありません。
これは原作を知っている人ならもっとガッカリするだろうし、間違えなく本作がタツノコプロ創立55周年記念作品として胸を張って言えるとは思えない駄作でした。