ロスト・エモーション RE-2678

作品紹介

公開年月  2017/03/04
ジャンル  SF/ラブロマンス
原作  なし
監督  ドレイク・ドレマス
脚本  ネイサン・パーカー
製作  マイケル・シェイファー、マイケル・プルス、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

人類史上最大の世界戦争によって地球の陸地が99.6%が破壊された近未来。
生き残った者たちは「感情」が原因と考え、人類が恒久的に平和を保つ為に遺伝子操作を施した感情のない人間の共同体“イコールズ”を作った。
そこで暮らす人間は管理され、愛情や欲望の感情が発症した者は「欠陥者」として“DEN”と呼ばれる隔離施設へ送られ安楽死させられる。
自分の中に感情が芽生え始めている事を自覚したサイラス、職場の同僚ニアも同じと知り、いつしか二人は惹かれていくのだった。

登場人物&出演者

サイラス(演:ニコラス・ホルト)
主人公。出版部署に勤める。決まったスケジュール通りに生活し、得意の絵を描く毎日。
ニコラス・ホルトは近年の出演作に『砂の城』、『X-MEN:アポカリプス』などがあります。
会社で飛び降り自殺があって、その光景を見ていたらニアという女性が気になり感情が発生。
レナードに怪しい行動がバレると、出版部署を辞めて人と接する機会が少ない植物園に転職。
ニアに受胎命令が出て追いかけるもすれ違いになり、感情を殺す為に薬を投与してしまう。
最後は感情を失ってしまうが、ニアと外の世界に行くと決めた通りに計画を実行した。

ニア(演:クリステン・スチュワート)
ヒロイン。出版部署に勤める。飛び降り自殺を目撃し、一人だけ静かに動揺をしていた。
クリステン・スチュワートは近年の出演作に『ライフ・ゴーズ・オン/彼女たちの選択』、『パーソナル・ショッパー』などがあります。
実は1年3ヶ月前から感情を持っていたが、保健安全局に行かず誰にも言わず黙っていた。
受胎命令が出てクリニックに検査をして妊娠が発覚し、そのまま保健安全局に連行される。
ジョナスたちに助けられサイラスの家に行くが、すれ違いで彼が薬を投与した事実を知る。
最後は感情を失ったサイラスにショックを受けるも、当初の計画通りに外の世界へ向かった。

ジョナス(演:ガイ・ピアース)
サイラスが検査の為にやって来た保健安全局にいた男。ステージ2で症状に波があるという。
ガイ・ピアースは近年の出演作に『エイリアン:コヴェナント』、『ベストセラー/編集者パーキンズに捧ぐ』などがあります。
薬をもらいに行っていたサイラスと再会し、彼が悩んでいる事をすぐに理解して話しをする。
実は1年前に女性と接点を持っていたが、悲しい別れ方をして以来、感情の怖さを物語る。
二人だけで生きていくと決意したサイラスとニアを理解し、外の世界に出す手はずを整える。
最後はニアを助け出すが、裏切った闇感染者に通報され、ベスとともに薬を投与される事に。

ベス(演:ジャッキー・ウィーヴァー)
保健安全局に勤める医者。闇感染者。同じ闇感染者が集まる場所では貴重な意見を述べる。
ジャッキー・ウィーヴァーは代表作に『アニマル・キングダム』、『世界にひとつのプレイブック』などがあります。
感情を持った者が最終的にどのようになるのか説明し、それでも保健安全局で働いている。
その理由は感情のある人間と過ごす事で自分を見失わないが、深入りは禁物と注意する。
最後はニアを助け出すが、仲間だったジョージに通報され、薬を投与される処分を下される。

ジョージ(演:トビー・ハス)
闇感染者。感情を持っている事を喜ばしいと思う他の闇感染者と違って後悔している。
トビー・ハスは代表作に『悪いことしましョ!』、『ガールフレンドデー』などがあります。
感情を殺す治療薬が完成し、それを喜んで投与すると仲間だったジョナスとベスを通報した。

レナード(演:デヴィッド・セルビー)
出版部の管理者。サイラスの描いた挿絵やニアの記事を会議にかけて審査をする役目を持つ。
デヴィッド・セルビーは代表作に『血の唇2』、『ブラックホール/地球吸引』があります。
サイラスが感情を持った事を残念がるが、チームを守るという名目でずっと彼を監視する。
いつも残業をしていたサイラスを見つけて通報する可能性を示唆し、彼に忠告を与える。

感想

個人的な評価

本作は製作総指揮にリドリー・スコット、世界的建築家の安藤忠雄の建築物が撮影に使われた作品となっています。
リドリー・スコットは『エイリアン』や『ブレードランナー』で知られ、現在は『エイリアン』シリーズの前日譚を扱ったシリーズが好評となっています。
安藤忠雄は世界でも有名な建築家であり、その特徴としてコンクリート打ち放しのミニマルな建築物がほとんどとなります。
まさに“無機質”という言葉が似合う建築物で、ムダなモノを排除してシンプルな構造にしているのが最大の特徴である。
そんなリドリー・スコットが思い描く未来世界と安藤忠雄の建築物は非常に親和性が高いのは始まってすぐに分かる。
本作は典型的なディストピア映画であり、過去に人類が戦争を経験して社会を再構築する為に極度な管理をした世界となっています。
ディストピア映画と言えば、古くは『リベリオン』、『マイノリティ・リポート』、『イーオン・フラックス』などがあります。
他に『ハンガー・ゲーム』、『ダイバージェント』、『メイズ・ランナー』というヤングアダルト小説を原作にした作品も数多いです。
本作では管理された人類は決まったスケジュールで動き、感情を抑制され、没個性の世界という型にハマったディストピア映画となっています。
主人公はヒロインが感情を持っていた事を知り、そこから自分自身も感情に支配されていく。
つまり、ディストピア映画であって感情が抑圧された作品で、主人公とヒロインが純真な愛を育んでいくラブロマンスでもあります。
ただ、一つ疑問を持ったのは、淡々と送る日常に情報は決められたモノで感情を扇動するような内容はまったく含まれていない。
しかしながら、主人公とヒロインが愛の感情を芽生えた事で急接近するが、そこから普通の恋人みたいにスキンシップをする。
このスキンシップにかなり疑問を持ってしまったが、そういう知識がまったくないのに当たり前のような感じで始める点に不自然さを持ってしまった。
動物は本能で繁殖をするけど、人間の場合だと、本能がかき立てるとしても、その前に知識というモノがあると思います。
現代社会における“普通”は本作では“異常”と捉えているので、男女の関係になる過程も普通ではないはずだと思っています。
なので、本作が普通に男女の関係となる点にもの凄く違和感を覚えてしまい、結局は普通の枠にハマったディストピア映画という印象を持ちました。
ラストではお決まりのすれ違いが発生してしまい、主人公とヒロインの一体感が崩壊する中で物語は静かに終わっていく。
この世界では感情を排除する事が人類繁栄のテーマになっていて、感情を持った人間は危険だと判断されており、彼らに未来はないという強いメッセージが込められている。
『リベリオン』ではその管理社会を破壊していくが、本作はあくまで逃避行を敢行する主人公たちの様子を描いているだけ。
なので、このような哀しいラストになってしまっているが、これはリドリー・スコットが好きそうな感じの物語だとかんじました。
ずっと淡々とした展開の中に愛という竜巻のような感情を表現しており、特に女性は共感すると思える作品でした。