人間まがい VD-75

作品紹介

公開年月  2014/02/26
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  ジョー・ベゴス
脚本  ジョー・ベゴス
製作  ジョー・ベゴス、アンソニー・アンブロジーノ
製作国  アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

ある日、セスは友人マークが青い閃光に包まれ、目の前で消える瞬間を目撃してしまう。
それから2年後、消えたはずのマークがセスの前に突如現れるが、以前の彼とは違っていた。
マークの体には“邪悪な何か”が憑依し、身の毛もよだつ殺人鬼と化し、静かな田舎町は瞬く間に血の海へ変貌するのだった。

登場人物&出演者

セス(演:グレアム・スキッパー)
主人公。友人のロブが青い閃光に連れ去れ、マークの家に避難するも彼も連れ去れてしまう。
グレアム・スキッパーは代表作に『マインズ・アイ』、『ハロウィン2016』などがあります。
2年後、鼻血を吹き出しながら目覚め、マークの失踪によるショックを引きずっている。
マークが姿を消した晩の事を夢で見るようになり、同じ体験をしたジェンと再会する。
常に鼻血を出していて、当然のように貧血となって仕事先で迷惑をかけるも逆ギレの態度。
最後はジェンを助けに来るが、結局は卵を産みつけられ、仕方なく殺すも誰に撃ち殺される。

ジェン(演:ヴァネッサ・リー)
マークの婚約者。セスの騒ぎを聞きつけてベッドから起きるも、夫のマークが連れ去れる。
ヴァネッサ・リーは代表作に『CO2』、『The Last Halloween』などがあります。
2年後、地元のダイナーで働き、マークをすぐ忘れ、新たな婚約者を見つけているビッチ。
もう過去の事をすっかりと片付けていて、2年前の出来事をぶり返すセスに呆れるビッチ。
とりあえず、イヤな予感がすると言えば役目を果たせるという感じで単なるビッチでした。
セスがマークの頭を吹き飛ばすも、ずっと油断して卵を産みつけられ、結局は殺される。

マーク(演:ジョシュ・イーザー)
セスの友人。何かから逃げてきたセスを家に匿うが、青い閃光に導かれて連れ去られる。
ジョシュ・イーザーは代表作に『Chillerama』、『Some Kind of Hate』などがあります。
2年後、森で全裸の状態で二人の猟師に見つかるも、奇声を発して両者とも問答無用に殺す。
何者かによって送り返され、会う人を殺して何かの卵を産みつけながらジェンの元を目指す。
ジェンを探し求める途中で人を殺しまくるが、能力は奇声で得意技は首折りという地味さ。
本来なら不気味な役だが、あまりにも淡々とした退屈な演技で面白さが半減される。

クライド(演:アンソニー・アマラル三世)
2年後にマークを亡くしたジェンの新たな婚約者として堂々と登場しています。
アンソニー・アマラル三世は本作が長編映画のデビュー作となります。
ジェンを求めてやって来たマークに立ち向かうが、奇声と首折りのコンボで殺される。

トレイシー(演:ジェイミ・テニール)
ジェンが働いているダイナーの同僚。シフトが減らされた事で別の仕事を探すつもりでいる。
ジェイミ・テニールは代表作に『Blood!Sugar!Sid!Ace!』、『The Lost Within』がある。
2年前にジェンの身に起きた事を知っていて、訪れてきたセスに対して嫌悪感を抱いていた。

感想

個人的な評価

本作は『ホラー秘宝まつり』というレーベルから3本同時リリースされた1本。
残念ながら大前提となているホラー秘宝というレーベルはよく知らないので、他の2本はどんな作品か知りません。
本作は友人が何者か連れ去られ、2年後に再び姿を現すもまったくの別人になっている。
これは以前に鑑賞した『エクストロ』と非常に似た冒頭のストーリー展開となっています。
『エクストロ』は80年代のモンスター映画という感じでグロテスクな描写が凄まじい。
しかし、本作はあくまで帰って来た男はそのままの姿で、奇声を上げて相手を持ち上げて首を折るという必殺技を持っている。
あとは口から触手を出して死体に卵を産みつけるという既視感たっぷりの設定でした。
本作は80年代のホラー映画を意識して作っているらしいが、まさに寄せ集めというべきオリジナリティのない作品です。
大前提となっているアブダクションされたマークだが、製作側は設定を細かく考えていないので詳細は省略されている。
そもそも、考える気が最初からなく、自分たちが憧れた80年代のホラー映画をツギハギにして作品を作りたかったという感じでした。
本来ならば、マークが不気味な殺人鬼になるはずだが、あまりにも事務的に殺しているからインパクトがありません。
当然のように下地がない状態で進んでいくので、作品への感情移入は最初からありません。
とにかく、本作は製作側の自己満足だけ終わっていて、観客という存在を完全に無視した作品になってしまっている。
プロであれば、観客を意識した演出や設定、ストーリーなどを考えるが、本作の場合は最初から放棄しています。
自分たちが面白いと思ったモノは観ている側も面白いはずだという甘い考えでした。
結局、マークは何者に連れ去られたのか明確にせず、その目的もよく分からないままです。
80年代のホラー映画というのは、少なからず悪役の目的はハッキリしている。
本作は単純に80年代のホラー映画を再現しているだけで、その真意をまったくくみ取っていない勘違いな方向性でした。
面白くするならば、マークをもっと不気味さを表現できる役者にして、主人公の予知夢を活用し、ヒロインのビッチさを全面的に出す。
これぐらいやらないと本作は盛り上がらないし、インパクトが残せないぐらい薄味である。
ただし、製作側にはそのような実力がないおかげで、このような退屈な作品になっています。
本作の良いところは79分という短さで、早く苦痛から解放される事ができます。