作品紹介
公開年月 | 2010/06/11 |
---|---|
ジャンル | アクション/アドベンチャー |
原作 | なし |
監督 | クリストファー・スミス |
脚本 | ダリオ・ポローニ |
製作 | ロバート・バーンスタイン、ダグラス・レイ、ほか |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
黒死病が猛威を振るう1348年のヨーロッパ、騎士のウルリクたちは大司教からネクロマンサーを討ち取る命を受ける。
ネクロマンサーのアジトは大湿原の中に隠された村にあるとウルリクたちは睨んでいた。
その案内人に若き修道士オズマンドが志願し、最初はウルリクと対立するも、連戦の中で次第に心を通わせていくのだった。
登場人物&出演者
・ウルリク(演:ショーン・ビーン)
司教から派遣された特命使節。黒死病に冒されない大湿原にある村を確かめにやって来た。
ショーン・ビーンは近年の出演作に『ドローン・オブ・クライム』、『オデッセイ』がある。
修道院で案内人を集うも詳しい説明をせず、純粋に神からのお告げを聞いて任務を受ける。
道中で魔女として焼かれようとした女性がラクに死ねるよう短剣で刺し殺す優しさを発揮。
立ち寄った目的の村で何かあると感じていて、歓迎したホブたちに疑いの目を向ける。
最後はランギヴァの拷問で両腕が千切られるが、黒死病を患っていて村に撒き散らした。
・オズマンド(演:エディ・レッドメイン)
修道士。修道士なのに恋人がいる。黒死病の感染を疑われ監禁されていたが解放された。
エディ・レッドメインは近年の出演作に『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』、『リリーのすべて』などがあります。
修道院で感染による死者が出て、恋人のアヴェリルに安全な森へ逃げるよう説得した。
森へ入ってアヴェリルとの再会をしようとするが、盗賊に殺されていて愕然とする。
村を束ねるランギヴァに神を捨てるよう説得されるが、蘇生したアヴェリルを神に送った。
最後は恋人を死に追いやったランギヴァを追うべく各地で魔女狩りを行う冷酷な兵士になる。
・ウルフスタン(演:ジョン・リンチ)
司教から派遣された特命使節の一人。スワイアやグリフと同じく王国軍と戦った元兵士。
ジョン・リンチは代表作に『秘密の花園』、『エッジ・オブ・スピード』などがあります。
戦友で友人だったグリフが黒死病に倒れ、口出ししようとしたスワイアを口止めした。
ランギヴァたちに捕まってしまうが、信仰心を絶対に捨てず仲間が殺されると激昂した。
ナイフを拾って檻から脱出すると、剣を手にして逃げ惑う村人たちを次々と殺した。
最後は特命使節で唯一の生き残りとなって、オズマンドを修道院へと送って立ち去った。
・スワイア(演:イーモン・エリオット)
司教から派遣された特命使節の一人。修道院にはウルリクとともに案内人を探しに来た。
イーモン・エリオットは代表作に『プロメテウス』、『フィルス』などがあります。
妻子の為に任務を引き受け、道中ではオズマンドに特命使節について詳しく説明した。
ランギヴァたちに捕まり、神への信仰を捨てるように命じられ、それに負けて条件を呑む。
解放されて信仰を捨てる口上を述べさせるが、村の外に連れ出されて絞首刑にされる。
・モルド(演:ジョニー・ハリス)
司教から派遣された特命使節の一人。オズマンドを威圧し、戦いの時だけ動き虐殺する。
ジョニー・ハリスは代表作に『スノーホワイト』、『ラスト・デイズ・オン・マーズ』などがあります。
盗賊団が襲撃した時に先陣を切って周囲を警戒して、奇襲を仕掛けた盗賊を斬り殺した。
村に入ってから歓迎会で一人酒を飲んでいて、近寄った村の女を異教徒として遠ざける。
最後はウルフスタインにより解放され、逃げる村人たちを倒すがホブに刺されて死亡。
・ダリワグ(演:アンディ・ナイマン)
司教から派遣された特命使節の一人。拷問兼処刑人。噂では人殺しの泥棒で変態という。
アンディ・ナイマンは代表作に『ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式』、『オートマタ』などがあります。
朝早くから神へ祈りを捧げるオズマンドがウソをついて案内人を志願した事に勘づく。
ランギヴァたちに捕まり、ホブによって最初の生贄にされた時は怖がる事なく受け入れる。
最後は磔にされてホブによって腹部を切り裂かれ、苦しみながらそのまま絶命する。
・グリフ(演:ジェイミー・バラード)
司教から派遣された特命使節の一人。スワイアやウルフスタンと同様に屈強な元兵士。
ジェイミー・バラードは代表作に『僕と世界の方程式』、『未来を花束にして』があります。
旅の道中で吐血し、すでに黒死病に冒されていて、ウルフスタインにより死を与えられた。
・イヴォ(演:タイゴ・ガーナント)
司教から派遣された特命使節の一人。フランス軍の捕虜になった時に舌を抜かれている。
タイゴ・ガーナントは代表作に『Schnitzel Paradise』、『Winter in Wartime』がある。
襲撃した盗賊に追われたオズマンドを助けたが、反撃を受けて敢えなく死んでしまう。
・アヴェリル(演:キンバリー・ニクソン)
オズマンドの恋人。黒死病が流行する中でひっそりを生活を送ってオズマンドを持つ。
キンバリー・ニクソンは代表作に『ジョージアの日記/ゆーうつでキラキラな毎日』、『ワイルド・ガール』などがあります。
オズマンドの説得で安全な森に逃げるが、一緒に来ない彼に一週間だけ待つと宣言する。
森で盗賊団に襲われて瀕死の重傷を負うも、ランギヴァたちが助け出すも薬漬けとなった。
オズマンドを仲間へ引き入れる為に利用されるが、結局は信じない彼に殺される事に。
・ホブ(演:ティム・マッキナリー)
大湿原を越えた村に住む男性。盗賊団に襲われてやって来たウルリクたちを出迎えた。
ティム・マッキナリーは代表作に『ノッティングヒルの恋人』、『オートマタ』があります。
村の代表であるランギヴァに心酔しており、神の使いに対して嫌悪感をあらわにする。
ウルリクたちを捕まえ檻に閉じ込め、黒死病が来ない為に神の使いの生贄を喜んで捧げる。
檻から脱出して暴れるモルドを刺し殺すが、ウルフスタインに捕まってしまう。
ウルフスタインによりネクロマンサーとして囚われ、司教に送り届けられる事になる。
・ランギヴァ(演:カリス・ファン・ハウテン)
大湿原を越えた村に住む女性。村のリーダー的存在で、豊富な薬の知識を持っている。
カリス・ファン・ハウテンは代表作に『ブラックブック』、『ワルキューレ』があります。
夫は神の使いによって殺されていて、キリスト教徒に対して憎しみを持っている。
森にさまよったアヴェリルを保護して、薬漬けで死んだように見せかけて生き返らせる。
村からは絶大なカリスマ性を持っていて、それを演出する為の仕掛けを多く作り出す。
最後は暴れるウルフスタインたちから逃げ出し、そのまま行方をくらます事になる。
感想
個人的な評価
本作は典型的な中世ヨーロッパが舞台となっている作品。
日本ではゲームでよく使われる題材ですが、本作はファンタジーではなく、あくまで現実的な世界観となります。
ほとんど話題にならなかった作品だが、ショーン・ビーンやエディ・レッドメインなどのハリウッドを代表する俳優たちが出演しています。
騎士や魔女が出てくるならば、ファンタジックな内容になりそうだが、本作は地に足を付けた歴史劇の一つとも言えます。
その為、アクションはかなり少なく、中盤で一行が森に潜む盗賊団に襲われて戦うシーンが唯一の戦闘となっています。
あとは標的である村の怪しい雰囲気の中で、静かに彼らを追いつめていく恐ろしい儀式が待っているだけとなる。
主人公的な立場であるウルリクは心理描写が少なく、主人公とは言えないし、逆に案内人であるオズマンドは心理描写があるけど主人公としてはかなり弱い。
ショーン・ビーンは劇中でよく死ぬ俳優として知られていますが、本作もいつ彼が死ぬのかずっと待っていました。
今回は信念を貫き通した男として描写されるが、そこまで固執するエピソードがあっさりすぎて説得力に欠ける部分がありました。
一方で若い修道士を演じたエディ・レッドメインだが、こちらも神の使いと言っているクセに女を作って裏切っているので説得力に欠けます。
双方の特徴として表面的なドラマがあるけど、その中身がスカスカで面白味がないのです。
結局は演じている役者に頼ったイメージのキャラクターになっているので、当然のように深みがなくて行動に説得力がないのです。
本作は全体的に中途半端な出来映えで、特命使節のメンバーも紹介している方が長いと思うほど活躍もほとんどありません。
あれだけ人数がいたのに、気づけば2、3人になっている点でもムダに頭数だけを揃えたような印象を持ちました。
確かに中世ヨーロッパを襲った黒死病は恐ろしい病だったが、本作での描写も簡単すぎて広がりがほとんどなかったのです。
どうせならゾンビウイルスみたいな恐ろしさで描けば良かったけど、現実的に描写したせいで地味な作品となりました。