亜人 VD-175

作品紹介

公開年月  2017/09/30
ジャンル  アクション/SF
原作  桜井画門 『亜人』
監督  本広克行
脚本  瀬古浩司、山浦雅大
製作  佐藤善宏、臼井真之介、ほか
製作国  日本
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

病気の妹を救う為に研修医となった永井圭はある日、事故で死亡するが、その直後生き返ってしまう。
亜人として覚醒した圭は国家に追われ続け、非人道的な実験のモルモットにされてしまう。
そんな圭の前に同じ亜人で最凶のテロリスト「佐藤」が現れ、彼が描く未来に共感できず終わりのない戦いを始めるのだった。

登場人物&出演者

永井圭(演:佐藤健)
主人公。研修医。交通事故をきっかけに「亜人」として目覚め、政府のモルモットにされる。
佐藤健は近年の出演作に『いぬやしき』、『8年越しの花嫁/奇跡の実話』などがあります。
研究所に侵入した佐藤によって救出されるが、彼のやり方に従わず反抗して逃亡した。
逃亡先で一人暮らししていた老女の山中に世話となり、その後は戸崎と条件付きで組む。
毒ガスを奪われない為に作戦を立案するが、佐藤の裏を掻く行動に出し抜かれる。
最後は奥の手を使って佐藤とともに凍って砕かれるが、切断した右腕から再生して逃亡した。

永井慧理子(演:浜辺美波)
圭の妹。病弱で病院にて療養中。亜人に認定された圭が昔と違う事に多少の不安を持つ。
浜辺美波は代表作に『空色物語』、『君の膵臓をたべたい』などがあります。
佐藤の差し金で病院に黒い幽霊を差し向けた田中に、居合わせた下村によって助けられる。
ようやく迎えに来た圭に付いて山中の家に避難するも、住民に気づかれて仕方なく逃亡する。
最後は圭の条件として政府の保護下に入り、下村が迎えに来て交渉成立を伝えた。

下村泉(演:川栄李奈)
厚生労働省で戸崎の部下として働く職員兼ボディーガード。その正体は亜人で公表されず。
川栄李奈は代表作に『デスノート/Light up the NEW world』、『嘘を愛する女』がある。
逃亡していた圭の妹である慧理子の病室を訪れた際、田中の黒い幽霊に襲われ殺される。
すぐに再生すると自身の黒い幽霊を出して迎撃すると、なんとか慧理子を助け出した。
戸崎の指示で毒ガスを奪うべく侵入した田中を迎撃して、身を挺して足止めをする。
最後は戸崎との連携で田中を追いつめると、リセットしないように動きを止めて成功させる。

平沢(演:國本鍾建)
戸崎に雇われている黒服の一人。金の為なら命も張るほどの覚悟を持っている変わった人物。
國本鍾建は代表作に『GOEMON』、『シン・ゴジラ』などがあります。
佐藤から毒ガスを守る為に気負っていた圭を見て、余裕を持つべきだと助言していた。
最後は佐藤の出し抜く作戦に翻弄されてしまい、結局は銃弾を食らって圭の前で死亡した。

戸崎優(演:玉山鉄二)
厚生労働省から派遣された亜人担当職員。亜人に対して容赦ない人体実験を繰り返している。
玉山鉄二は代表作に『手紙』、『NANA』シリーズなどがあります。
5年ぶりに捉えた亜人である圭に徹底した人体実験を眉一つ動かさずに実行させていた。
実は意識不明で入院中の婚約者がいて、圭が協力する代わりに脅迫の材料に使われてしまう。
圭からの条件付きの協力で佐藤を捉えようとするが、田中を封じ込めるべく下村と戦った。
最後は圭が身を挺して佐藤を止めて彼も捉えるが、見透かされてそのまま逃亡された。

奥山真澄(演:千葉雄大)
佐藤の呼びかけに応じて仲間になった亜人。生まれつき右足が不自由で亜人の力でも治らず。
千葉雄大は代表作に『アオハライド』、『Mr.マックスマン』などがあります。
プログラミングに長けていて、フォージ工業へ侵入する際にセキュリティをハッキングする。
最後は圭の黒い幽霊に見つかり、下村と戸崎に捕らわれてハッキングを逆に利用された。

高橋(演:山田裕貴)
佐藤の呼びかけに応じて仲間になった亜人。基本的にテンションが高くゲンと連んでいる。
山田裕貴は代表作に『ホットロード』、『HiGH & LOW』シリーズなどがあります。
フォージ工業への侵入時には殺人を楽しむように立ち振る舞い、率先して先陣を取った。
最後は秘書室に侵入するが、圭の作戦で視覚を奪われると麻酔を打たれて捕縛された。

ゲン(演:平埜生成)
佐藤の呼びかけに応じて仲間になった亜人。高橋と同じくテンションが高く一緒にいる。
平埜生成は代表作に『東京タワー/オカンとボクと、時々、オトン』、『人狼ゲーム』がある。フォージ工業への侵入時では、高橋に負けず劣らず歓喜しながら迎え撃つ警備兵を倒した。
最後は秘書室に侵入するが、高橋と同じく視覚を奪われて困惑しているうちに麻酔で眠った。

田中功次(演:城田優)
日本国内で二例目に確認された亜人。2年前に政府に捕まっていたが佐藤に助け出される。
城田優は代表作に『テニスの王子様』、『ヒートアイランド』などがあります。
それ以来、佐藤のテロ計画に協力する右腕的な存在で、人体実験による苦痛で人間を憎しむ。
射撃はあまり得意じゃないと言いながらも、少なからず狙撃で人間を射殺する腕前を持つ。
毒ガスですべてを変えようとフォージ工業に侵入するが、同じ亜人の下村に邪魔される。
最後は助けに入った戸崎の介入で劣勢に追い込まれ、麻酔を打たれて倒されてしまう。

佐藤(演:綾野剛)
テロリストを企てる危険な亜人。ヤクザに臓器を売り渡す代わりに様々な武器を手に入れる。
綾野剛は近年の出演作に『ラストレシピ/麒麟の舌の記憶』、『武曲/MUKOKU』があります。
何よりも殺す事を至極の快感を得ていて、根っからの悪人で殺人に一切の戸惑いがない。
黒い幽霊を自在に操るだけじゃなく、亜人としての特性を極限まで利用した戦闘を繰り出す。
自らの体を木っ端微塵にして、フォージ工業へ運ばれた左腕から全身を再生して侵入した。
最後は必死の覚悟で対決した圭に追いつめられ、凍らされてバラバラになされ封じ込まれた。

感想

個人的な評価

本作は桜井画門の同名漫画が原作で『good!アフタヌーン』にて2012年23号から現在でも連載されています。
過去にアニメ化されて全26話を放送され、2015年には劇場三部作として製作されています。
近年はハリウッドに負けじとアメコミ原作映画ならぬ、漫画原作映画を多く製作している邦画界から打ち出された作品の一つ。
しかしながら、ハリウッドと比べて予算が圧倒的に少なく、大人の事情が多い邦画界では漫画原作映画は苦戦を強いられています。
その中で本作は原作の設定を大きく映画の為に変更して成功した数少ない作品となりました。
残念ながら原作は一話程度しか読んでいない知識しか持ち合わせていないので、本作によってどんな作品か理解する事になりました。
まず、本作では余計なドラマを一切挟まず、素直に「亜人」という題材を使っています。
邦画ではよく尺を稼ぐ為につまらない人間ドラマを挟むけど、本作はそれを排除した事で大きくプラスに動いている。
ほとんどの邦画は2時間を超える尺を平然と上映させる中、本作はムダを排除したおかげで2時間を切っているのが大きい。
更に余計な人間ドラマがないせいで、不必要な登場人物がおらず、主人公と悪役を中心に物語を回しているのも思い切った構成は良かった。
以前から指摘している事だが、邦画で銃をぶっ放すシーンほど滑稽なモノはないと思っていたが、本作のスッキリした分かりやすい展開なら納得できました。
何より銃を操っていた悪役の佐藤を演じた綾野剛のアクションが素晴らしく、そこに上乗せしたキャラクターのおかげで説得力を生み出していました。
本作が成功した理由に邦画特有の不必要な人間ドラマ、説得力のあるアクション、分かりやすい展開だと思います。
その中でも綾野剛が演じた佐藤というキャラクターが特に作品を盛り上げ、亜人という特殊な存在を強烈に魅せてくれています。
邦画は余計なモノを付けたがる事が多いけど、本作のようなスッキリした展開をすれば、失敗しない見本のような作品だと言えます。
やはり、魅力的な映画というのはどれだけ悪役を最高のキャラクターに仕上げていくのかが重要だと分からせる作品でもあったと感じさせてくれました。