作品紹介
公開年月 | 2018/10/26 |
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ジャンル | 戦争/アクション |
原作 | 日中戦争 『重慶爆撃』(モチーフ) |
監督 | シャオ・フェン |
脚本 | チェン・ピン |
製作 | シャオ・フェン |
製作国 | 中国 |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
日中戦争下の1941年、中国軍は日本軍の猛攻撃で劣勢に立たされていた。
中国軍にとって最後の砦である重慶も度重なる日本軍による爆撃で壊滅の危機にあった。
そんな中、アメリカ軍のジャック・ジョンソン大佐は、日本軍と戦う中国人の空戦部隊を指揮する事になるのだった。
登場人物&出演者
・ジャック・ジョンソン大佐(演:ブルース・ウィリス)
アメリカ軍で連合軍の指揮官。中華民国の空軍を指揮し、若者の飛行訓練も担っている。
ブルース・ウィリスは近年の出演作に『ミスター・ガラス』、『デス・ショット』がある。
腕のあるパイロットたちを飛ばすが、大日本帝国軍のゼロ戦に何度も苦戦を強いられる。
残された戦力が非常に乏しく、パイロットも少ない状態でも諦めずに戦いを挑む事に。
自らも戦闘機に搭乗して大日本帝国軍を相手にするも、銃撃を食らって退却してしまう。
最後はゼロ戦を撃墜させたミンシュクンを出迎え、無事に生還した彼を出迎えた。
・ガンタウ・シュエ(演:リウ・イエ)
第22飛行隊の副隊長。ケガで戦線を離れていたが、重慶までトラックの護衛を任される。
リウ・イエは代表作に『PROMISE/無極』、『ポリス・ストーリー/レジェンド』があります。
なんとか大日本帝国軍の攻撃をすり抜けて脱出すると、次々と人がやって来て乗せる事に。
なし崩しに乗ってきた整備士を怪しむと、予想は的中して一度はトラックから追放した。
またしても現れた整備士がトラックを爆破しようとして、メイと止めて爆弾も止めた。
最後はメイと結婚式を挙げると、不発弾が落ちてきて、半裸の状態で抱えて危険を脱した。
・メイ(演:マー・スー)
ガンタウたちを乗せたトラックに遭遇する。兵士の子供たちを安全な重慶へ連れて行く。
マー・スーは代表作に『Tie ren』、『See You Tomorrow』などがあります。
トラックに乗せてもらおうとガンタウにお願いし、拒否されても強気で押し通した。
立ち寄った教会も爆撃に遭って天井が崩れるも、身を挺して子供たちを守った。
トラックに爆弾が仕掛けられると、直感で切るべき線をガンタウに言って助かった。
最後は盛大な結婚式を挙げる中で爆弾が落ちるが、ガンタウは半裸で処理してくれた。
・アン・ミンシュアン(演:ソン・スンホン)
中華民国の空軍パイロット。大日本帝国軍のゼロ戦によって兄の戦闘機が撃墜されている。
ソン・スンホンは代表作に『クローサー』、『ゴースト/もういちど抱きしめたい』がある。
その為に大日本帝国軍に強い憎しみを持ち、復讐するべくジャック大佐に直訴していた。
厳しい訓練の中で怖じ気づいてしまい、それをジャック大佐に咎められて任を解かれる。
基地がゼロ戦の襲撃を受けると、戦闘機を操縦してジャック大佐を納得させて認めさせる。
最後はアメリカ製の戦闘機を操縦し、日本のエースパイロットの秋山を葬り復讐を達成する。
・スーザン(演:チャン・チュンニン)
新聞記者。中華民国の惨状を写真で撮り、記事にして世界中に広めようとしている。
チャン・チュンニン代表作に『殺人犯』、『東京に来たばかり』などがあります。
戦前には医学を勉強していて、ケガをしていたミンシュアンの感染症を防ぐ手当てをした。
なぜかミンシュアンに惹かれてしまい、気付いたら恋人のような状態になっていた。
各地で撮っていた写真を現像すると、そこでミンシュアンと気持ちが通じてキスをした。
新聞社で記事を書いていると、ミンシュアンの手紙から結婚のプロポーズを受けた。
最後はミンシュアンとは一緒にならず、引き続き中華民国の惨状を世界に発信する事に。
・ティン・チェン(演:ウィリアム・チャン)
中華民国の空軍パイロット。多くの仲間を失って大日本帝国軍に復讐の気持ちを持っている。
ウィリアム・チャンは代表作に『愛に関するすべてのこと』、『トライアド』があります。
ミンシュアンとはライバル関係で、残されたパイロットの中では一、二位の腕を持っている。
新聞記者のスーザンとイチャイチャするミンシュアンと違い、あくまで戦場に身を置く。
アメリカ製の戦闘機に乗ろうとミンシュアンと殴り合いをして負けるが、なぜか乗る事に。
最後はミンシュアンに戦闘機を譲って援護に回るが、ゼロ戦の攻撃を受けて撃墜される。
・スティーヴ(演:エイドリアン・ブロディ)
連合軍の医者。戦争によって多くのケガ人が出て、病院を忙しなく動き回っていた。
エイドリアン・ブロディは近年の出演作に『キラー・ドッグ』、『白い闇の女』があります。
最後は医者が足りない状況に頭を抱えていて、ケガ人たちに声をかけていた。
・ジュリア(演:ルーマー・ウィリス)
連合軍の医者。政府から招かれて、次々と運び込まれるケガ人の治療に当たっていた。
ルーマー・ウィリスは代表作に『素顔のままで』、『ホステージ』などがあります。
最後は帰国する船が2週間後に出るが、ギリギリまで治療をすると中華民国の医者に話した。
・イェ・ペイシェン(演:ファン・ビンビン)
中華民国の教師。大日本帝国軍による爆撃が始まり、なんとか子供たちを避難させる。
ファン・ビンビンは近年の出演作に『スカイハンター/空天猟』、『スキップ・トレース』などがあります。
最後は教室に残っていた子供を救おうとするが、爆撃によって呆気なく死んでしまう。
・タオ・レイ(演:ニコラス・ツェー)
中華民国の空軍パイロット。ガンタウと一、二位を争うほどの操縦技術を持っている。
ニコラス・ツェーは代表作に『PROMISE/無極』、『インビジブル・ターゲット』がある。
最後は侵略する大日本帝国軍を迎撃するが、最新式のゼロ戦に反撃できず撃墜された。
・秋山ヒロ(演:渋谷天馬)
大日本帝国軍のエースパイロット。ゼロ戦による空戦では中華民国の戦闘機を撃墜している。
渋谷天馬は代表作に『ミナミの帝王』、『まむしの兄弟』などがあります。
中華民国の戦闘機を弄ぶようなアクロバティックな操縦で翻弄し、次々と撃ち落としていく。
その為にほぼ無敵状態で中国を爆撃する飛行機を援護し、無傷で帰還を果たしている。
最後は重慶爆撃にも参戦するが、主人公補正のミンシュアンに負けて撃墜されてしまう。
感想
個人的な評価
本作は日中戦争で実際に行った「重慶爆撃」を題材にした作品となります。
製作は中国であるが、出演していたファン・ビンビンの巨額脱税疑惑が暴露された事により公開中止となっています。
まず、本作で勘違いされるかもしれないが、大日本帝国軍が戦っていたのは今の中国ではなく、台湾を実効支配する中華民国となります。
そもそも今の中国が建国されたのが1949年であり、重慶爆撃は1938年から1943年まで行われています。
なので、現在の中国大陸の人間が故郷を爆撃されたという認識ではなく、どっちかと言えば台湾人が言うセリフとなります。
ただ、本作ではそのような違いなど示しているワケじゃなく、全体的な意識となる「中国」に日本が爆撃した事を強調している内容でした。
当時の中華民国は大日本帝国軍と比べても軍事の規模はそれほどじゃなく、アメリカの支援でなんとか戦っていたような状態だったようです。
特に空の戦いでは、大日本帝国軍のゼロ戦が強すぎて、中華民国は為す術もなく蹂躙されてしまったという。
本作ではゼロ戦の強さをきちんと描いている点はいいけど、それ以外のストーリーがあまりにもブツ切りすぎて唖然とさせられた。
さっき出会ったばっかりの男女が、次のシーンでは仲良くなって、特にエピソードがないのに結婚する間柄になっていました。
他にも視点が飛んでしまい、明確な主人公がいないような状態で物語が進んでいました。
ジャケットから見てもブルース・ウィリスが主人公のように見えるが、実際には中国を手伝っているだけで作品の顔とは言えない。
他にエイドリアン・ブロディも出ているが、まさかの1分弱だけの出演に驚いてしまった。
あとは顔面のインパクトがスゴイと言えるブルース・ウィリスの娘、ルーマー・ウィリスも1分程度の出演だけでした。
何より本作を公開中止に追い込んだファン・ビンビンなんて、冒頭の1分ぐらいですぐに退場してしまうようなレベルです。
出演した事実を使って大々的に世界的な役者の名前(ルーマー・ウィリスを除いて)を使った詐欺としか思えません。
本作は何一つ良いところはなく、酷評を受ける事を察知した配給側がファン・ビンビンのスキャンダルを利用して公開中止にしたとしか考えられない。
戦争映画というのはある程度再現すれば、それなりの出来になるはずが、本作はそれすら出来ていない素人が作ったようなレベルの駄作でした。