ホーンテッド・サイト RE-2577

作品紹介

公開年月  2017/03/05
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  ダーレン・リン・バウズマン
脚本  クリストファー・モンフェット
製作  ジェシー・バーガー、ブレント・C・ジョンソン
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

新聞社の不動産記者ジュリア・タルバンは突然最愛の姉と甥を惨殺された。
家族を失い、悪夢に苦しめられるジュリアは事件を解明するべく、事件のあった姉の家を訪れるが、転売されて殺人現場となった部屋は取り除かれた。
元恋人で刑事のグレイディと調査を続けるジュリアは、ニューイングリッシュの深い森の中で殺人現場と繋がった屋敷を見つけるのだった。

登場人物&出演者

ジュリア(演:ジェシカ・ロウンズ)
主人公。新聞社の記者。担当は不動産だが、犯罪課への異動を熱望する。厚化粧が特徴。
ジェシカ・ロウンズは代表作に『パニック・スカイ』、『コードネーム:プリンス』がある。
姉が何者かに殺されてしまい、ショックを受ける一方で新聞記者としての事件を調査する。
事件が起きた部屋が丸ごと消えた状況と似た事件を探し出してクローンという人物に当たる。
野心的に家族を探し求め、ついにクローンの作った悲劇の屋敷に足を踏み入れる事に。
最後は悲劇の屋敷で姉たちを追うが、グレイディを殺してしまい、アリーに殺されてしまう。

グレイディ(演:ジョー・アンダーソン)
ジュリアの元恋人で刑事。ジュリアと別れてもヨリを戻したいという気持ちが抑えられない。
ジョー・アンダーソンは代表作に『コントロール』、『クレイジーズ』などがあります。
姉が凄惨な事件で殺された事に同情し、あくまでジュリアを気遣う言葉を発してた。
悲しむ妹よりも事件の真相を解明する新聞記者を選んだジュリアを一番に心配していた。
ニューイングリッシュまで追いかけてくるが、不気味な町の様子に早く帰る事を進言する。
最後はジュリアを連れて帰ろうと悲劇の屋敷に入るが、結局は彼女に殺されてしまう。

保安官(演:ジョン・マコーネル)
ニューイングリッシュの保安官。余所者に対して厳しく、ジュリアを追い返そうとした。
ジョン・マコーネルは代表作に『チョコレート』、『メカニック』などがあります。
クローンが住民とともに森で何を作っているのか知っているが、見て見ぬフリをしている。
それでも探っていたジュリアたちを追い、グレイディとともに何度も出て行くよう忠告した。
森に入っていくジュリアたちを捕まえ、森に囚われるよりも自分の手で殺そうとする。
しかし、それを許さない住民たちの手によって、背後から頭を撃ち抜かれて死ぬ。

アリー/アリシア(演:リン・シェイ)
ニューイングリッシュの住民。ジュリアの母が暮らしていた家を買い取って住んでいる。
リン・シェイは代表作に『ヒドゥン』、『インシディアス』シリーズなどがあります。
やって来たジュリアを背後から髪を撫でて登場するなど、言動がどこか不気味な印象を持つ。
しかし、冷たい態度を取る町の住民よりも接しやすく、ジュリアに情報を提供していた。
実はジュリアの母親であったが、その正体を隠しており、クローンを崇拝していた。
最後は悲劇の屋敷でクローンに拳銃を向けたジュリアを背後から射殺して完成させた。

ジェヴェダイア・クローン(演:デイトン・キャリー)
牧師。独自の信仰心を持ち、町が不景気になっている時に現れて住民の心を一気に掴んだ。
デイトン・キャリーは代表作に『デッドロック』、『ハロウィンⅡ』などがあります。
狂気とも言える演説によって住民から道徳心を失わせ、生贄を捧げれば奇跡が起きるという。
妄信的になった住民たちは彼の言葉に従い、殺人すら平然とやってしまうほどになる。
実は過去に悲劇で家族を失い、彼の代わりに永遠となる罪の償いをしていたという。
最後は悲劇の屋敷を完成させるべくジュリアを導き、家族が待つ部屋へと足を運んだ。

感想

個人的な評価

本作は『ソウ』シリーズを受け継いだダーレン・リン・バウズマンが監督を務めています。
『ソウ』シリーズとして人気を博しているが、単体で観るとジェームズ・ワンが監督を務めた一作目だけが名作です。
あとは一作目の遺産を続編で食い潰しているだけに過ぎず、決してダーレン・リン・バウズマンが素晴らしいというワケじゃないです。
それを勘違いして世界で注目される監督になったので、本作のような作品を作りました。
本作はタイトルやパッケージから、物語の大半は不気味な屋敷で展開されるホラーだと期待していました。
しかし、実際は終盤まで肝心の屋敷が登場せず、それまではサスペンス風味の退屈な展開がずっと続いていました。
当初はリアル路線だったのに、なぜか屋敷が登場した途端にファンタジーとなっている。
多分、これはジェームズ・ワン監督の『インシディアス』や『死霊館』を意識した展開だと言えるかもしれません。
ですが、ジェームズ・ワン監督は現実と幻想を上手く調和させていて違和感がありません。
本作はそれと違って、ハッキリとリアルとファンタジーが別々になってしまい、終盤はもう違和感しかなかったです。
とにかく、前半の退屈さはなんとかならないのかと思えるほどつまらない時間が流れる。
一応、これはクライマックスの屋敷を際立たせる為の布石ですが、その演出に面白味がまったくないのが大きな問題である。
そこら辺はジェームズ・ワン監督は上手く、ちゃんと小出しに見せたいモノを見せて、観る側を引きつける展開を心がけている。
その一方でダーレン・リン・バウズマン監督は、単純に悲劇の屋敷を際立たせる為に説明的な伏線を張っているだけ。
残念ながら本来はこれぐらいの実力の差があるぐらい、ダーレン・リン・バウズマン監督ではジェームズ・ワン監督の足元に及ばないのです。
ハッキリ言って、本作で一番面白いのは悲劇の屋敷という設定であり、その魅せ方が中途半端すぎて自分で魅力を削ってしまっている。
どうせなら、最初から悲劇の屋敷を登場させるべきであり、そこでアトラクションのような仕掛けをしていた方が魅力的な作品になっていたのだろう。
どうしてもジェームズ・ワン監督の亡霊がダーレン・リン・バウズマン監督の頭にあって、同じ手法で超えようとするから失敗するのです。
どれだけ頑張っても一流のブランドを受け継いだ三流ではこの程度の作品になってしまう。
難しい構成ではなく、分かりやすくて観る側もすぐに理解できる怖さの方が伝わるのに、どこか完全に勘違いしてしまった残念な作品でした。