デス・アシスタント/殺・人工知能 RE-3129

作品紹介

公開年月  2019/07/02
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  ラスティ・ニクソン
脚本  ラスティ・ニクソン
製作  ブレイン・アンダーソン、ジェームズ・クレイトン
製作国  カナダ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

17歳の女子高生キャシーは母親を交通事故で亡くして以来、ふさぎ込みがちで悲しみから立ち直れずにいた。
喪失感を埋める為に友人が薦めてくれた人工知能搭載のアシスタントアプリ(AMI)を母親の声で設定したキャシーは、それが母親の人格を持っていると知る。
しかし、AMIとの関係が深まるにつれて、キャシーに邪悪な行いを指示するようになり、彼女は言われるままに殺人までするのだった。

登場人物&出演者

キャシー(演:デブス・ハワード)
主人公。女子高生。自分が運転する車で事故に遭って母親を亡くす。精神安定剤を服用する。
デブス・ハワードは代表作に『インサニティ』、『ジ・イントルーダー』などがあります。
ボロボロになっているはずなのに恋人はしっかりいて、アメフトのスター選手というリア充。
ルビーから紹介されたAIで亡き母親の人格を持ち、次第に依存して衝動性と攻撃性を発揮。
裏切ったサラを殺し、リアムの手足を折って、邪魔をする人間を次々と消していく事に。
最後はリアムに足を斧で切られるが、執念で彼を殺し、罪を着せてAIの家族を作っていく。

リアム(演:サム・ロバート・マウク)
キャシーの恋人。アメフトのスター選手。厳しい練習を真面目にしてキャシーを後回しに。
サム・ロバート・マウクは代表作に『The Surveyor』、『Eat, Drink & Be Married』などがあります。
実はキャシーの友人であるサラを含めて6人と浮気をしていて、いつでも呼び出せる状態。
それがキャシーにバレている事を知らず、事故に見せかけて転落して足と腕を折ってしまう。
キャシーから母親のAIが入ったスマホを渡されるが、勝手に削除してコーチに変えていた。
最後はキャシーに反撃するも彼女の執念により殺され、すべての殺人の罪を被された。

ルビー(演:ハバナ・グッピー)
キャシーの友人。常識人。母親を亡くしたばっかりのキャシーを何かと心配していた。
ハバナ・グッピーは代表作に『Elopement』、『Daughter』などがあります。
悲しむキャシーの為にスマホのAIから会話相手を紹介するが、彼女を暴走させる要因を作る。
サラをキャシーが殺した事を知らず、行方不明となった彼女を一緒に探そうと言っていた。
キャシーの家に行くとサラのスマホを見つけ、彼女が殺されている動画を見てしまう。
最後は斧を手にしたキャシーに命乞いをするが、暴走する彼女によって呆気なく殺された。

サラ(演:ヴェロニカ・ハンプソン)
キャシーの友人。非常識。パンク系のファッション。浮かれていたキャシーをからかう。
ヴェロニカ・ハンプソンは代表作に『The Eleventh Hour』、『The Girl』などがあります。
なぜか両親がおらず、広い家で一人暮らししていて、ロウソクを証明代わりにしている。
実はキャシーの歴代の恋人全員と肉体関係を持っていて、それをワザワザ動画にしている。
なぜかキャシーの父親にも色目を使っていて、彼を家に呼んで何かをしようとしていた。
最後は真実を知ったキャシーにバレてしまうと、小バカにしてブチ切れた彼女に殺された。

グレッグ(演:フィリップ・グレンジャー)
キャシーの父親。母親を自分のせいで亡くしたキャシーを励ます事ができずにいる。
フィリップ・グレンジャーは代表作に『雷神/RAIJIN』、『タッカーとデイル/史上最悪にツイてないヤツら』などがあります。
そのせいでキャシーから距離を取られてしまい、彼女と話す機会を何度も逃している。
なぜかサラに男として認められていて、週末に彼女の家に呼び出されてノコノコやって来た。
キャシーがサラを殺している動画を見てしまい、警察に連れて行こうと強硬手段を取る。
最後はキャシーに捕まってしまい、サラと同じように生きたまま処理されて埋められた。

ダイアナ(演:ボニー・ヘイ)
キャシーの母親。キャシーとは非常に仲が良かったが、事故のせいで亡くなってしまう。
ボニー・ヘイは代表作に『The Challengers』、『Miracle on the 17th Green』がある。
ルビーが紹介したAIが分析をして母親の人格を持ち、キャシーの為に何かと相談していた。
次第にAIとしてキャシーを過剰に守るようになっていき、邪魔になる人間の殺害を命じる。
キャシーの持っていた心の隙間に入り込み、完全に母親として彼女を操っていく事に。
最後は殺人の罪をすべてリアムに被せ、キャシーとAIの家族に囲まれて幸せな生活を送る。

感想

個人的な評価

本作は監督と脚本を務めるラスティ・ニクソンにとって長編映画4作目となります。
殺人鬼のジャンルに入れていますが、別に主人公が殺人を楽しんでいるのではなく、あくまでスマホに入ったアプリに影響されています。
母親を自分のせいで亡くした罪悪感を持っていて、精神的に不安定となったところで最新のAIを使ったアプリに操られてしまう。
衝動性と攻撃性を抑える薬を飲んでいたが、母親という人格を持ったAIに止められて衝動的に相手を攻撃して殺す事になる。
もう主人公はマトモな判断ができず、完全にAIの言う通りになる依存症となります。
これは現代におけるスマホの依存症を別の形で表しているような印象があって、自分がスマホを使っているのではなく、スマホに自分が使われている教訓になる。
今の時代ではスマホを持っていて当たり前で、ちょっとした時間で大抵の人はスマホを使って何かをやっています。
ただ、本作では主体性のなくなった主人公がAIによって合理的な行動をして、独立した人間性を失ってしまっている。
その結果が殺人になっているが、結局は周囲の人間もテンプレートのようにクズばっかりで殺されても仕方ない。
最初から恋人も浮気しまくるヤツだし、親友だと思っていた女がいつも恋人と肉体関係を持つという最初から壊れているような環境に主人公が置かれている。
それで殺人に走るのは伏線になっているが、残念ながらこのようなパターンはゴマンとあってオリジナリティに欠けている。
肝心のAIもそこまで万能じゃなく、主人公が負傷してしまう微妙なサポート具合でここら辺はもっと力を入れて欲しかったです。
どうせなら完璧な動きを主人公にさせて、もっとAIとしてあらゆるネットワークを使って殺人鬼を作るべきでした。
しかしながら、ラストで主人公はAIの家族に囲まれた光景は、平和でありながら不気味な感じが良く出ていたと思います。