作品紹介
公開年月 | 1982/04/12 |
---|---|
ジャンル | カンフー/アクション |
原作 | なし |
監督 | チャン・チェ |
脚本 | チャン・チェ、ニー・クァン |
製作 | モナ・フォン |
製作国 | 香港 |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
二大流派の武術が覇権を争っていたが、康は袁を倒そうと助っ人として日本の武士である桑田を試合に出すも負けてしまう。
だが、その負けを知った桑田の師である忍者の王・剣淵は袁に果たし状を送り、五遁忍術の忍者部隊を差し出して一派を殺害する。
康一派も剣淵の忍者部隊に全滅して中国武術の盟王を画策する中、袁一派で唯一生き残った蕭天豪は忍者の術を知る楊に弟子入りして特訓を開始するのだった。
登場人物&出演者
・シャオ・ティエン・ハオ(演:チェン・ティエンチー)
主人公。武林総盟の若手。威震武林との10番勝負では先鋒を務めて見事に勝利を手にする。
チェン・ティエンチーは代表作に『上海13』、『幽玄道士2』などがあります。
ホン党首が用意した日本の武士がジーに敗れると、負けは死と同じとして自害を促した。
剣淵夢道が武林総盟に果たし状を送ると、ユエン党首の指示でジーとともに道場を守った。
ジュンコの見取図で武林総盟が壊滅し、ヤンの元で五遁陣を破る術を習い果たし状を送った。
最後は剣淵夢道を命懸けで止め、ヤンの弟子たちにトドメを刺してもらい散っていった。
・ジュンコ/アー・チュン(演:チェン・ペイシー)
くノ一忍者。剣淵夢道が武林総盟の徹底的な壊滅を図るべくスパイとして送り込んだ。
チェン・ペイシーは代表作に『レスリー・チャンの青春白書』、『The Pure and the Evil』などがあります。
当初は売春宿に売られる娘としてシャオたちの前に現れ、ジーの心遣いで保護される事に。
その間に道場に張っていた警備を見取図に描きながら、冷たい態度のシャオに惚れていく。
正体を暴いてジーを負傷させるが、捕らえたシャオに色気で迫るも人質にされて逃げられる。
最後はシャオに五遁陣の情報を教えようとするが、騙していると勘違いされて始末された。
・ジー・シャン(演:ロー・マン)
武林総盟の弟子。ホン党首が雇った日本の武士相手に素手で立ち向かって見事に勝利する。
ロー・マンは代表作に『少林拳対武当拳』、『ピーチ・スパイク!』などがあります。
日本の武士は切腹で自害するが、その時に忍者の王である剣淵からの果たし状を受ける事に。
一番弟子のレイ・ベンたちが五遁陣へ向かう間、シャオとともに道場を守る役目を担った。
積極的に暴力を受けていたアー・チュンを保護して、彼女の好意も騒ぎのせいで預けていた。
最後はジュンコの裏切りで負傷し、ユエン党首を助けようとするも剣淵にトドメを刺された。
・レイ・ベン(演:ルン・ティエンシャン)
武林総盟の一番弟子。威震武林の一番弟子を相手に圧倒的な実力差を見せつけていた。
ルン・ティエンシャンは代表作に『House of Traps』、『Buddha’s Palm』などがあります。
ユエン党首にとって最も信頼する弟子であり、10番勝負では戦う順番を任されていた。
日本の忍者の王である剣淵からの果たし状を受けると、道場の警備について指示を飛ばす。
最後は五遁陣で迎え撃つ剣淵たちに挑み、一人で火遁の陣に入り込むも剣淵に殺された。
・ユエン党首(演:フィリップ・コク)
武林総盟の師匠。敵対するホン党首と以前勝っている。ホン党首の犯罪行為を許さない。
クァン・フンは代表作に『ヒーロー・オブ・カンフー』シリーズ、『五毒拳』があります。
10番勝負では見事に弟子たちが勝ち越すが、日本の武士を負かして果たし状を送られる。
その際に武士が投げた指輪の毒を受けて、彼らの果たし状に参戦できず解毒に専念していた。
弟子たちに警備を任せていたが、保護したジュンコが忍者のスパイだと見抜けずにいた。
最後は道場の見取図を得た剣淵の奇襲に遭い、隠れていた部屋の中に火を放たれて死んだ。
・ホン党首(演:チャン・シェン)
威震武林の師匠。敵対するユエン党首との直接対決に敗れている。10番勝負を挑む事に。
チャン・シェンは代表作に『キングボクサー/大逆転』、『少林寺三十六房』などがあります。
弟子たちがユエン党首の弟子に負けてしまうと、最後に雇った日本の武士を代わりに出す。
一人目に勝つも二人目のジー・シャンに負けると、彼の師である剣淵夢道を呼んだ。
すべてを剣淵に任せて待っていると、くノ一のジュンコが道場の見取図を得て全滅を知る。
最後は武術界を乗っ取る計画に変更した剣淵に不意を突かれて呆気なく殺されてしまう。
・ヤン・トン・フェイ(演:シウ・ロイ・チョウ)
日本の忍術を知る老師。過去に通りかかったシャオを縄で捕まえて縄抜けの術を教えた。
シウ・ロイ・チョウは代表作に『大酔侠』、『Martial Club』などがあります。
武林総盟が壊滅してしまい、助けを求めたシャオを出迎えて新たな弟子として受け入れた。
兄弟子たちと剣淵夢道の五遁陣を知っていて、その撃破の仕方をシャオたちに教えた。
最後は万力鎖を解く鍵をシャオに渡し、五遁陣を弟子たちが破る事を信じて送り出した。
・剣淵夢道(演:チャーリー・チャン)
忍者の王。ホン党首に雇われた弟子が負けたと知り、日本から弟子たちを引き連れる。
マイケル・チャンは代表作に『ドラゴンロード』、『ファイアー・ドラゴン』があります。
五遁陣を用意して武林総盟の勇士たちを迎え撃ち、忍術と奇襲で8名の手練れを殺した。
完全な全滅をするべくジュンコをスパイとして送り込み、武林総盟を壊滅させる事に成功。
ついでにホン党首の威震武林も壊滅させて、中国の武術界を乗っ取ってしまう。
感想
個人的な評価
本作は『片腕必殺剣』や『嵐を呼ぶドラゴン』で知られるチャン・チェが監督と共同脚本を務めています。
チャン・チェ監督と言えば、「片腕」シリーズで知られるジミー・ウォングとのタッグを連想するだろうと思います。
しかしながら、本作にはジミー・ウォングが出ておらず、代わりに『五毒拳』で目立ったロー・マンが出ています。
ロー・マンが主人公だと思ったら、若手のチェン・ティエンチーとなっていて、本作では充分な活躍をしてくれています。
もちろん、ロー・マンも中盤まで大活躍していて、一瞬彼が主人公じゃないかと思うほど女性に対して紳士な態度を取りました。
本作は80年代のカンフー映画という事で相当の主人公補正とご都合主義が盛りだくさんとなっていて、仲間が倒れる中でほぼ無傷で主人公だけ助かります。
70年代や80年代のカンフー映画は二部構成で、前半は主人公が活躍するも敗れ去って挫折し、後半で修行によるパワーアップで見事にリベンジをするパターンが多い。
当然のように本作もしっかりと王道なパターンで非常に分かりやすいが、タイトルから分かるように日本の忍者が相手となる。
外国人には大人気の忍者が戦っているが、意外にもアメリカンな「NINJA」ではなく、カンフー的な忍者になっています。
五遁陣という金・木・水・火・土の古代中国にあった自然哲学の「五行思想」から、勇士たちを追い込んで撃退していくのです。
あくまで忍者が使う忍術は正々堂々と戦うのではなく、相手の意表を突いて奇襲や様々な道具を使って撹乱して倒すのが目的となります。
なので、卑怯こそがモットーであり、真正面から戦う中国の勇士たちも強くてもあっさりと倒される状況には説得力がある。
ただ、修行でパワーアップした主人公の前では無力になり、最後はラストボスとなる忍者の王はかなり善戦したけど、上半身と下半身を真っ二つにされる残酷な死に方を迎えるという。
こういう作品はあくまで単純な気持ちで鑑賞するべきであり、細かい事に関してはツッコミを入れずに黙って受け入れるのが楽しめるコツである。